御当家の親分さん、御姐さん、
陰ながら、お許しこうむります
どんどん行きまっせ〜
藤純子サン、緋牡丹博徒シリーズ
「花札勝負」の見どころをご紹介っと。
毎回同じようなストーリーと顔ぶれ、
おまけにたて続けに見てるもんだから、
こうやって書き留めておかにゃぁ
何がなんだかサッパリわかんなくなっちまう。
死んだはずの、あの人、この人、
こんなところでまたお目にかかれるなんて!なシリーズ第3作。
注意:ネタバレ、バレバレです
未見の方、ご注意くださいね
「緋牡丹博徒 花札勝負」 1969年 加藤泰監督 東映
いい人 嵐寛寿郎、高倉健、若山富三郎、待田京介、清川虹子
悪い人 内田朝雄、小池朝雄
死んだはずなのにまた出てまた死んじゃう悪い人 天津敏
死んだはずなのにまた出てまた死んじゃういい人 山本麟一
めいわくなカップル 石山律&柴田美保子
かわいそうなカップル 汐路章&沢淑子
明治中期
父の仇は討ったけど、矢野組は一家離散状態。
二代目として組を立て直すため渡世修行の旅を続ける
九州熊本五木の矢野竜子、またの名を緋牡丹お竜。
兄弟の盃を交わした
四国道後の熊虎親分(若山富三郎)の紹介状を持って、
名古屋は西の丸一家にワラジを脱いだ!
熱田神宮の勧進賭博の利権を巡って、
ここもたいへんなことになってますよぉ〜
極悪人は国会議員の古田(内田朝雄)、
金原組(キンバラグミ)の金原(小池朝雄)、
勧進賭博の利権を狙って
西の丸一家の嵐寛寿郎親分に対抗するため
アコギな策略を巡らせる!
とまぁ、おおまかなストーリーはおなじみ水戸黄門スタイル。
冒頭から子役登場で、
お竜さんの「おばちゃん」ぶりも十分堪能できます。
子供に「おばちゃん!」と言われ、
「おばちゃんはね」と言えば言うほど色っぽく、
女っぷりが上がる、すごいぞ藤純子23歳。
印象的なお着物については今回は特筆しませんが、
トレードマークの無地っぽい着物に
博多献上独鈷柄の帯がステキなお竜さん。
帯の結び方がかっこいいなぁ。
たぶん変わり矢の字という結び方だと思うんですが、
これって、半幅帯なんでしょうか?
もっと幅のある帯のようにも見えるんですが、気のせい?
それとも結び方のせい?
あと、薄い帯枕を入れてるみたいです。
赤い帯揚げがお太鼓(?)から太く出てるのが見えるんです。
お竜さんの帯結びの詳細をご存知な方、いらしたら教えてほしい〜!!
お竜さんにメロメロな道後の熊虎(若山富三郎)親分、
デレデレ〜とした姿しか見たことなかったけど、
今回は大迫力なメンチ切りが見られますよ〜
金原一家の賭場でいかさまの因縁をつけられるお竜さん一行。
そこへいきなり熊虎親分が登場、
金原一家のイカサマ師の手のひらをドスで串刺しだ!
親分の左手には白い包帯が・・・(お竜さんとつないだ手だから)
「兄貴さん!」
「お竜はん、しばらくでんな〜」デレデレ・・・
と、返す視線で強力ガン飛ばし!
「こんな子供だましの屏風札つかいさらしよって、
わいの可愛いお竜はん、たぶらかしよったな!」
と彼女の窮地を救うのでした。
さすがカツシンの兄上、ええど!
この「花札勝負」はシリーズ中で屈指の出来といわれる作品。
たしかに、ここには書ききれないくらい、
登場人物の様々な都合が勝手に手際よく描かれていて
飽きさせません。
しかし、そこには嵐寛寿郎サンの貫禄も大きく貢献しています。
素晴らしい親分ぶりにうっとり。
そ、それなのに〜、
学問したいっつぅから東京の大学校へ行かせてやってる
親分の息子が、こともあろうか極悪人金原の娘と恋仲に!
「結婚したい」なんて抜かすんですよぉ〜
これには寛寿郎親分、もちろん猛反対!
「ぼくは金原と結婚するんじゃない、
八重子さんと結婚するんだ!」と反抗する息子に
「あ、あったりめぇ〜だ!」と親分応酬!
お笑いなのか、真面目なのか、はたまたリアルな芝居なのか、
さすがです。
むこうみずな坊ちゃんに翻弄される大人たち・・・
そして今回の「お助け人」は高倉健さん。
あれ?こないだお亡くなりになったんじゃ?
なんて細かいことはおいといて。
第1作でイイ味出してたけど死んじゃった
山本麟一さんも、また登場!
でもまた死んじゃうの。
それも同じような死に方だし〜。
極悪人一味の天津敏さんも同じく。あーややこし。
今回も、もちろん苦悩するヒーロー健サン、
金原一家に一宿一飯の義理で
何の恨みもない西の丸寛寿郎親分を斬らねばならぬ、
斬らねばならぬのだ〜
シャキーン!ビシッ!バサッ!
「花岡さんと言ったね・・・
おまハン、わざと急所をよけなすったね」
「とんでもない、あっしの精一杯っす」
(自分、不器用なんで・・・とは言わない)
寛寿郎親分に義理の一太刀をあびせた健サンは
そのまま立ち去るのでした。
しかし、
深手を押して勧進賭博の挨拶を立派に務めた寛寿郎親分、
ついにお亡くなりになってしまいます・・・
西の丸一家、寛寿郎親分の葬儀の席。
そこへ一家の代貸が息も絶え絶え
「熱田神宮へ奉納する勧進賭博のお金を、
金原に盗まれた〜!」 → 絶命
おぉぉりゃ〜!もう我慢ならねぇ〜!殴り込みだぁ〜!
はやる若い衆に、
勧進賭博の世話人として名古屋入りしていた
大阪堂万一家のおたか親分(清川虹子)が一喝!
「今夜だけは、一同そろって、
西の丸のために別れの挨拶してやり。
喧嘩はその後や!わても行くで」
その頃・・・
喧嘩は明日のはずなのに一人金原一家へ向かうお竜さん。
そこへ「オジ貴、あっしもお供しまっせ」と、
熊虎親分の子分フジマツ(待田京介)が笑ってついてゆく。
そういえばフジマツは、お竜さんのことを「オジ貴」と呼んでいる。
親分(親?)の弟だからオジかぁ。
「金原さん、死んでもらいますばい!」
オリャー!ガシッ!バサッ!ブスッ!シャキーン!
そこへ「お助け人」健サン登場!
「花岡!貴様わしにたてつく気か!」
「金までふんだくろうとするテメェに辛抱できねぇんだ!」
お竜さん、今回は小太刀じゃなく、
危なっかしい長ドスを振りまわして斬りまくる。
斬った相手も一人や二人じゃないぞ!(絶対死んでる人2名)
戦い終わって、
降りしきる雪・・・
「お竜さん、この始末はあっしに着けさしておくんなさい。
行くのは、あっし一人でたくさんだ」
行くって・・・何処へ?
ムショでしょ?
ついに立派な人殺しとなったお竜さん。
でもお助け人のおかげでムショへは行かずにすんだみたいです。
「春がくりゃあ、また窓から花が舞い込んでくらぁ・・・
じゃ、お達者で」
って・・・健サン、もしかしてアンタ、去年の春もムショ暮らし?
ぜひご覧ください。