おで様流



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お着物映画ご紹介 / 緋牡丹博徒 仁義通します




「アンタがたに名乗るがごたる名前の
持っとらんとですよ、ばってん、
アンタがたに似合いのやり方なら、お相手ばしまっしょ!」



いよいよ最終章!完結編!
緋牡丹博徒シリーズ第8作「仁義通します」
舞台は家元も大好きな大阪だ!

シリーズ最終章にふさわしい豪華キャスト、
東映が総力を挙げて(たぶん)
藤純子サンのシリーズ卒業を祝った作品です(たぶん)

家元のお着物映画ご紹介も、
緋牡丹博徒シリーズはこれが最後だと思うと、
ちょっとさびしい・・・クゥーッ、てやんでぃっ、
お着物映画のコラムはこれからも続けるぜぃ!な心意気で、
今日もバリバリいきまっせ〜!


注意:ネタバレ、バレバレです
未見の方、ご注意くださいね



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「緋牡丹博徒 仁義通します」 1972年 齋藤武市監督 東映
いい人 片岡千恵蔵、清川虹子、若山富三郎、菅原文太、松方弘樹、長門浩之
最近レギュラーな極悪人 河津清三郎
ハラの据わった極悪人になった人 名和宏
結局フジマツには戻らなかった人 待田京介
浪速だから・・・な人 中田ダイマル、中田ラケット
新人女優な人 光川環世
いい人になったりアブない人になったり忙しい悪い人 汐路章



「さっそくお控えくだすってありがとうござんす
向かいまする上(ウエ)さんとは、お初にござんす
従いまして、手前生国は肥後の国、五木村にござんす
姓名の義は矢野竜子、通り名を緋牡丹のお竜と発しまして
お見かけどおり、しがない女にござんす」

冒頭から、お竜さんの折り目正しい仁義!仁義通します!
結城みたいなちょっとハリと光沢のあるグレーの着物に
白地に黒の献上柄博多帯!
定番の赤い帯揚げが効いてるぞ〜って、
ちょうどポスターのイメージだね!

時は明治38年、
北陸を旅するお竜さんがワラジを脱いだ貸元宅には、
すでに先客がいた。

日露戦争旅順攻撃の生き残り、
下関の陸軍病院から出たばかりという男・・・北橋周平(菅原文太)。



一方大阪では
安治川のシマを巡って、お竜さんの後見人おたか親分(清川虹子)の
堂万一家と甲田一家の勢力争いが勃発していた。



博打が違法となってしまった昨今、
堂万一家の分家を構える岩木組の岩木誠一(松方弘樹)は
屋形船で開張していた。
胴を務めるのは、北陸から故郷浜松への帰路にあった
北橋菅原文太兄ぃ。北橋は、岩木松方弘樹兄ぃの戦友だったのだ。

そこへ甲田一家の若い衆がイチャモンを!
喧嘩になってしまう。

実はおたか親分は重病で、明日をも知れぬほど衰弱していた。
それをいいことに、甲田一家の千羽(名和宏)、
そして後ろ盾になる伝法一家の嘉納(河津清三郎)らは、
堂万一家のシマを横取りしようと企んでいた。

ようやく見せてくれましたね、
ハラの据わった極悪人ぶりですよ!名和宏サン。
またまた登場、見るからに極悪な河津清三郎サン、
顔色もワルすぎ〜、こわいよ〜



屋形船の一件について、料亭で話し合う
岩木松方弘樹兄ぃと甲田一家の千羽。

「安治川はワイのシマや」と主張する千羽、
「川は大阪の皆さんのものや」と言い席を立つ岩木。

料亭の周りには血相を変えた凶悪甲田一家の若い衆が、
芸者小袖(新人女優 光川環世)は、
恋人岩木松方兄ぃの身を案じ忠告するが、岩木は意に介さない。

果たして、岩木と子分の藤吉(トウキチ 長門浩之)は、
千羽率いる甲田一家に闇討ちされ、岩木が刺されて重傷を負う!
岩木たちを助けようとした北橋文太兄ぃは、
図らずも千羽の顔面を斬りつけ
駆けつけた警官に逮捕されてしまった。

なんだよぉ〜、岩木松方兄ぃだって刺されてるのに
文太兄ぃだけが逮捕かよ〜、
大岡越前守も桜吹雪で窒息するくらい不公平なお裁きであった。



予告編で「新人」って紹介されていた芸者小袖役の光川環世サン
なかなかベッピンさんですが、お着物もキレイです。
芸者です。ハレなお着物です。
お竜さんのストイックな着物の魅力とは対極にあるキレイさ。
これは見物ですよ〜!



騒動を知ったおたか親分、
最も信頼する分家の岩木であったが、心を鬼にして
「堂万一家の本家には当分のあいだ出入り禁止」
勘当を申し渡す。



堂万一家には松川という代貸がいた。
・・・って、松川はフジマツ、フジマツが松川、待田京介サン、
結局フジマツには戻らず、完結編では松川になっていた・・・
しっかし役者だのぉ〜
フジマツと松川は似ても似つかないキャラだぞ!

え〜っと、この松川は、
堂万一家の跡目を継ぐことだけを励みに
長年おたか親分の元で頑張ってきた人。
妹の亭主である岩木組の藤吉(トウキチ)長門浩之サンに、
「岩木はもうダメだ、ゆくゆくは堂万一家を継ぐ俺のところへ来い」
ともちかけるのだが・・・

岩木の男らしい心意気に惚れ抜いている藤吉はキッパリ断る。



そんな頃
年末のボーナスが出てホクホクの岩木組若衆

藤吉は妻への土産を手に
中田ダイマル&ラケットな弟分たちを連れて
居酒屋で一杯やっていた。

そこへ凶悪甲田組が!

若い女に乱暴狼藉を働くのを見るに見かね、
ついに巻き込まれてしまう。
喧嘩をすれば、親分の岩木に迷惑がかかる、
手出しせずこらえる藤吉!
ここがチャンスとドスを出す甲田組!


「わけがあろうと無かろうと、
人ば殺してヨカっちゅうコツはなかでっしょう、
それとも、こん大阪っちゅうとこは、そぎゃん無法ば通るとですか」

ジャジャ〜ン!そこへ登場!
濃い紫色のお着物にベージュの博多帯!
カッコええお竜さんがゴロツキに一喝、

やめんかい!うるせぇ、やっちまえ〜!

お竜さん、番傘でブワァ〜ンと
大の男を投げ飛ばす荒技に目が点だ!

観念して引き上げる甲田無法者一家!

窮地を救われた藤吉
名乗らず去って行った人は緋牡丹のお竜さんだと気づいていた・・・・
クゥ〜、カッコええ!!



伝法一家の極悪人、顔色もワルい嘉納、そして甲田一家の千羽は、
フジマツ、じゃない、松川と古い付き合いだった。

二人は松川をコッソリ呼び出す。
岩木を失脚させた(つまり闇討ちね)のは二人の悪巧み、
後ろで糸を引いていたのが伝法一家だと知る松川。
嘉納は、伝法一家が何かと融通して後ろ盾になってやるから、
堂万一家の三代目になったら協力しろよ、と持ちかける。
「その話は無かったことに」とその場は辞退する松川であった・・・



おたか親分を見舞うお竜さん。
おたか親分は、自分の死期を悟って
お竜さんに手紙を書いていたのだ。

お竜さんを証人に、松川に遺言を伝えるおたか親分。
それは堂万一家の三代目を岩木に継がせる、という言葉だった・・・

ガァ〜ン!ショックを隠しきれない松川

「岩木に勘当は解くと伝えてくれ」
という頼みも忘れちゃったのね、
おたか親分の病状を心配して駆けつけた岩木を
思わず追い返してしまう!
ちっちぇ〜ぞ、松川!

死の床で、お竜さんに最後の願いをするおたか親分。
それは、芸者小袖は夫であった堂万一家二代目の妾の子だということ、
小袖は子供のいない二代目が引き取りたいと言ったのを認めず、
その上その女性も無理矢理二代目と別れさせたことを、
おたかは長〜い間後悔していたのだ。

何も知らない岩木が小袖と結婚の約束をしていると知り、
因縁を感じるおたか、
この通帳を小袖の花嫁支度に渡してやってくれ、とお竜さんに頼み
ついに息を引き取った・・・・

おたか親分、ほんと〜にお疲れさまでした!



「あんた、喜んで引き受けてこそ、男じゃなか?」

お竜さんから、おたか親分の遺言を聞いた岩木、
堂万一家には松川という代貸もいるし、
破門同然になった自分にその資格はない、と断る。
おたか親分の目に狂いがあるはずがない、
この難しい時代に跡目を継ぐことこそが苦労なのだ、
と諭すお竜さん。

一方松川は、岩木の後見人となったお竜さんに、
自分の何が気に入らなくて跡目を譲ってもらえなかったのだろう、
岩木には何か特別な事情があるのでは、と尋ねる。
実は松川、例の芸者小袖の話を立ち聞きしていたのだ!
ちょっとコスいぞフジマツ、じゃない松川、
そんなんだから跡目をもらえんかったんじゃ〜!



「そういうこっちゃったら、当分おとなしゅうしとるわ、
それやったら、節分には出られるやろ」

四国松山の刑務所にブチ込まれていたお竜さんの義兄、
ご存知道後の熊虎親分(若山富三郎)。
お竜さんの面会に喜んだのも束の間、
おたか親分の訃報を聞き大ショック!

岩木の襲名披露の「取り持ち人」は熊虎親分に、
とのおたか親分の遺言に、
もうムショで暴れるのはやめとこう、と心に誓うのだった。

鉄格子の向こうのお竜さん、薄いグレーの着物が悲しみを、
熊虎親分のオレンジの囚人服がアホな雰囲気をかもしだします。

熊虎親分とお竜さんの兄弟の絆、
お竜さんが兄貴さんを頼りに思う気持ちが伝わってきちゃう
切ないシーン・・・



「よかったら、あそこで雨宿りしましょう」

降りしきる雨の中
偶然に入った軒下でムショから出てきた北橋菅原文太兄ぃと
バッタリ再会するお竜さん。北陸以来だった。
岩木が破門になったのは刃傷沙汰にしてしまった自分のせいだ、
と話す北橋。

雨宿りに入った茶店で、
岩木は自分の戦友だったこと、そしてその戦友岩木に
「カタギにならなければ付き合わない」
と言われてしまった話をする北橋。

「そいつぁ、カニに向かってタテに歩けって言うようなもんですわ」

自分もカニだ、と言うお竜さんに、

「あんたはカニなんかじゃねぇ、ワニだ!」 あ〜いやいや、

「あんたはカニなんかじゃねぇ、間違って横に歩いていなさるだけだ」

カニ問答する二人・・・

茶店を出ると、千羽ア〜ンド凶悪甲田一家が待ち構え
北橋に仕返ししようとする。
岩木にこれ以上迷惑かけられない、手出しせずこらえる北橋、
かばおうとするお竜さん

そこへ割って入った松川!

「やれるもんだったらやってみぃ、堂万一家が受けて立つで!」

オッ、松川、なんかフジマツっぽいやん。

と思ったのも束の間、
川船で働く岩木松方弘樹兄ぃと子分衆の姿、
その働きぶりと強い絆を見て、
松川、ついに伝法一家の極悪人嘉納に後見人になってくれと頼む。
おいおい、もうやけのやんぱちなのかいな〜



親分衆を集め、おたかの遺言、
および堂万一家の跡目について報告する岩木の後見人お竜さん。
何かとイチャモンつける伝法一家
見るからに極悪人、顔色もワルい嘉納。

松川という代貸を差し置いて
勘当されていた岩木が跡目を継ぐのは、
許嫁の芸者小袖が先代の妾の子だからだ

岩木も知らなかったことをブチまけ因縁をつける。
岩木、大ショ〜ック!

「嘉納はん、アンタ誰の前でものを言うとるつもりや」

遺言をコケにすることはおたか親分をコケにすること、
おたか親分が「襲名の見届け人に」と遺言していた
近松親分(片岡千恵蔵サマ)の一言で黙るしかない嘉納。

ハッハッハッ!片岡千恵蔵サマが出てくると
突然あたりは時代劇になるのだ!



「あんたはんが、緋牡丹の親分さん!
きっと男みたいなお人やと思うてたもんやさかい、ごめんやっしゃ」
「それでよかばい、お竜は男たい」

今回のテーマは
女を捨てたお竜さんというのがあるような・・・
冒頭から、お竜さんを女として見る北橋に強く否定するお竜さん、
そしてこのお座敷のシーンでも、
初対面の芸者小袖がお竜さんの美しさに驚くと
「自分は男たい」と答えてる。



「小袖さん、胸ば張ってお嫁にいきなっせ」

さて、芸者小袖と座敷で会い
おたかからの遺言を伝え通帳を渡すお竜さん。
ところが、岩木に別れを告げられた小袖は、
自分のせいで岩木の立場がなくなるのなら
「キッパリあきらめます」と涙ながらに話す。

小袖のいじらしさ、心根の優しさを知り
「中傷に負けてはいけない、岩木さんには説教ばしなきゃいかん
結婚式の媒酌人は自分に任せてくれ」と励ますお竜さんだった。

このシーン、芸者小袖のハレなお着物に対し、
お竜さんは浅葱の色無地 x ベージュの博多帯。
まったく対照的なお着物が、
二人の対照的な生き方をビジュアルに表現していてグッときますね〜!
お二人ともおキレイですよ〜!

小袖の芸者風にガバッと衿を開けた着方も、
イマドキあんまり見かけないですね。
レトロです。映画です。

かたや、惚れた男に尽くしついてゆこうと決心する女、
かたや、女であることを捨てて渡世に生きようとする女、

お竜さん
「女として、わたしって、どうなのよ」
な迷いは微塵もありまっせんよ〜!



「堂万三代目の座はたった一つや、どっちかが死ななシャぁない」

やけになった松川
伝法一家のシマにある遊郭にいりびたり酒浸り、
どうしようもない状態だと知り
説得に行くお竜さん。岩木と藤吉も後を追う。

一緒に帰ろうと言う岩木に、
自分は伝法一家に付き、堂万の向こうを張る決心を固めた
と告げる松川。

そこへ、話を聞きつけた伝法一家と千羽らが駆けつける!
ここは伝法のシマだ、
急いで小舟に乗りその場を脱出しようとする三人!
土手からダイナマイトを投げつける
千羽はじめ極悪伝法一家と凶悪甲田組!

とうとうダイナマイトが小舟に当たり
お竜さんをかばった岩木は死んでしまった・・・



「こん私のために・・・オジ貴に申し訳なか」

九死に一生を得たものの、
自分が後見人を任されていた大事な堂万一家の跡目を
死なせてしまったお竜さんのショックは尋常じゃない。

そこへ飛び込んでくる四国道後の熊虎親分。
あと一日早く出所していればこんなことにならなかったのに・・・
と悔しがり、伝法と甲田に殴り込もうと息巻く。

しかし

岩木亡きあと、堂万一家を立て直すには
ここで喧嘩している場合ではない。
岩木の片腕だった藤吉を盛り立て
一家の立て直しを計ることが先決だ、
と忍耐するお竜さん、北橋文太兄ぃ、そして熊虎親分!



「ミツエ!血は水よりも濃いちゅう、
お前どこまでいっても松川の妹や」

そうとも知らず
松川の妹である妻ミツエに別れを告げ、
一人伝法一家に殴り込む藤吉。
もちろん逆に殺されてしまう。

同じ頃、ミツエも自らの命を絶つのだった。



岩木の死、守れなかった藤吉、自分の無力さ、
悔しさと怒りが心の中で炸裂するお竜さん・・・(たぶん)



「待ち伏せがあるらしい」

「だいぶいるようやな」


北橋文太兄ぃ、熊虎親分が、お竜さんを囲むように
降りしきる雪の中、三人は伝法一家へ向かう。

この時のお竜さんの出で立ちは、
黒地にシブ〜い色の花の裾模様 x 白地に黒の
献上柄博多帯。モノトーンに赤い帯揚げが映える!

北橋文太兄ぃはグレーの着流し。
そして熊虎親分はシルクハットに燕尾服(!)だ。

熊虎親分
待ち伏せしていた敵をピストルでバキューンバキューンと倒す!
相変わらず強いぞ!



ガッシャーン!バサッ!ドスッ!ドカッ!シャキーン!トォォォリャー!

伝法一家に無言で殴り込むお竜さんと北橋文太兄ぃ。
お竜さんの表情は切ない。

赤い裾よけが黒い着物に映え、
すらりとした脚が、アシが、
いつもキレイやなぁ〜

バッサバッサと斬りまくる二人、

バキューン、バキューン!

千羽に撃たれても北橋文太兄ぃ、まだいけるのか?
お竜さんの投げカンザシが千羽の顔面を直撃だ!
やっちまえー!

アッお竜さん!アブない!後ろ、後ろ〜!

なんと、お竜さんは背中をバッサリ斬られてしまう!
お竜さん、がんばれ!


一人の男がお竜さんに刃を向ける!
その男を振り向きざまに刺すお竜さん!
と、それは松川!

松川の刃はお竜さんの首元に・・・それは峰打ちだった・・・


逃げようとする伝法一家嘉納の前に、
玄関先で立ちふさがる熊虎親分

そして若い衆を従えた近松親分な片岡千恵蔵サマ!

おぉっ、これは忠臣蔵でないの?
「おのおのがた・・・」


ついに追いつめられた嘉納、
お竜さんの恨みのドスの前に息絶える!
顔色サイアク!



降りつづける雪・・・

北橋に駆け寄るお竜さん、
「お竜さん・・・」と言ったまま文太兄ぃ絶命。

けっっこう思いっきり涙を流すお竜さん・・・
血も出てるよ〜!

「兄弟・・・・」
熊虎親分も、それ以上言葉無く、
文太兄ぃの亡骸を抱え上げる。



「お竜はん、思うようにはならんもんやな」

玄関先の通りには、近松親分の若い衆がズラッと提灯を持ち
三人の道行きを照らすのであった・・・







お、終わった・・・
これで完結なのね・・・

堂万一家のその後や
ムショ関係については全く不明ですが、
そんなことはもうどうでもよか。

緋牡丹博徒シリーズ、すなわち
お竜さんと役者 藤純子サンの成長の記録、
ここまでくれば、もう十分でしょう。

今回、見えそうで見れなかった緋牡丹の入れ墨、
それだけがチト残念だったかな。
おばちゃんビームも全く無し。

女らしさや優しさよりも、お竜さんのストイックさが
より強く表現されていますよ!

また、ケレン味をまったく感じさせないスタイルで、
いつものようなキメ台詞やタンカはほとんどありませんでした。
殴り込みも終始無言、だけどお竜さんの切羽詰まった気持ちが
かえって胸に迫る!

そして、すべてが終わった時のお竜さんの涙・・・

最終章らしく、なんだか切ないストーリー、
心に残るラストシーンでした。

ご覧になったみなさまは、どうお感じになられるでしょう、
家元はとても興味があります。


ぜひご覧ください。



さて、家元のお着物映画ご紹介
緋牡丹博徒シリーズはこれにて終了。

次回はいつになるか未定ですが
お着物映画ご紹介は続けますので、どうぞご期待ください。

最後までおつき合い下さったご一同様、
どうもありがとうございました!

じゃ、よいこの皆様方はお達者で、ごめんなすって!
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by kuronekoyuya | 2007-07-03 23:42 | 緋牡丹博徒 | Comments(2)

お着物映画ご紹介 / 緋牡丹博徒 お命戴きます




「その焼香、お待ちなっせぇ!」



寄ってらっしゃい、見てらっしゃ〜い、
お馴染み、藤純子さん緋牡丹博徒シリーズ第7作「お命戴きます」

御用とお急ぎの方、家元のお着物映画ご紹介なら
お時間が許されなくても10分で見た気になれるよ!

今シリーズ、いよいよラスト2作品を残すばかりとなりました。
今日もひつこくご紹介さしていただきますばい!


注意:ネタバレ、バレバレです
未見の方、ご注意くださいね



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「緋牡丹博徒 お命戴きます」 1971年 加藤泰監督 東映
いい人 鶴田浩二、嵐寛寿郎、若山富三郎
極悪人 河津清三郎
大悪人 大木実
悪人ブラザーズ 諸角啓二郎、沼田曜一
情けない悪人 内田朝雄
いつになったらフジマツが見れるの?な人 待田京介
おキラクなタコ入道 石山健二郎
相変わらず気づくのが遅い人 名和宏
もうレギュラーじゃなくて残念な人 天津敏



上州伊香保
久保一家の賭場で、イカサマの濡れ衣を着せられ逃げて来た
コブ安こと安二郎(汐路章)を追っ手から救い、
賭場へ乗り込んでイカサマを暴こうとする
九州熊本矢野一家二代目お竜さん。

冒頭から紺の着物に白い博多帯、
赤い帯揚げと裾よけがまぶしい定番のスタイルで登場だ!



「なるほどねぇ、負けが込んでくると
逆に相手ばイカサマに仕立ててしまうとですね」

見事イカサマを見破ったものの、相手も一筋縄では行かん、

「オメェのその可愛いツラから吹き出す血を、
俺は急に見たくなったぜ!」

ひぇ〜!
元から、コブ安こと安二郎の件で
お竜さんに仕返しするつもりだった久保一家、
胴を務めるイカサマ師は親分の実弟イノスケ(沼田曜一)だ!

しかし、居合わせた結城組親分、結城菊太郎(鶴田浩二サン)、
そしてお竜さんとは昵懇の大物、大前田の親分さん(嵐寛寿郎サン)が
その場を納め、強引に手打ちとする。



「もうお発ちになるんですか」

「故郷(クニ)の五木で
父の七回忌ば務めなきゃいけまっせんたい」

旅立つ前に、世話になった礼と挨拶を
結城鶴田浩二親分に述べるお竜さん、
引き止めようとする結城親分。

お竜さんは、4ヶ月後の9月、
高崎観音の勧進博打に大前田親分が呼んでくれているので、
そのとき必ず戻ってくると約束するのだった・・・

「その時は、素通りは許しませんよ」



回を重ねるごとに洗練されてゆくこのシリーズ、
今回は、派手さを極力抑えた仕上がりです。

お竜さんのお着物も、紺色、浅葱色っぽい青、白地に細かい模様、
そして喪服(!)と、オイ、チト地味過ぎやしねぇかい、なセレクション。

なのに何故なんだ?!この美しさ、この潔さ、胸に迫るほどのカッコよさ!

そしてそれは、お着物だけじゃな〜い!

「派手さ」で言えば、
前作の「お竜参上」や「鉄火場列伝」あたりがピークだと感じます、

が、しか〜し、この「お命戴きます」以降の作品が
ただ「地味」になったという意味では決してありません。
派手さを抑えながら、洗練度、緊張感、ストーリーの深み、
そしてカッコよさはドンドン増してゆくのです。

ついにここまで来たか、な緋牡丹博徒シリーズ第7作!



「親分サンはきれいだ、ほんとにきれいだ」

自分を信じてくれたお竜さんに「命を預ける」と言う
コブ安こと安二郎、なんかアブないヤツにしか見えないよ〜
こわいよ〜



さて今回の物語

結城鶴田浩二親分の地元上州大子(ダイシ)では、
軍の鉛(ナマリ)製錬所が出す煙や汚水で
お百姓さんの田畑が汚染され、たいへんなことになっていた。
稲が枯れ、切羽詰まったお百姓さんは暴動を起こし
警察にしょっぴかれる者も

そんなお百姓さんを助けるために頑張る結城!
なんと公害問題なのだ!

折しも日露戦争前夜
軍部がのし上がってくる中、製錬所所長 大村(内田朝雄)や
軍の監督官 畑中中尉(大木実)と結託し
暴利をむさぼろうと企む富岡組。
組長の富岡(河津清三郎)にとって、
渡世の甥にあたる結城は邪魔者でしかなかった。

結城、そしてお竜さんに恨みを持つ
久保組の組長久保(諸角啓二郎)と、
イカサマを見破られ破門になったその弟イノスケ、
悪人ブラザーズもまた、二人に仕返しのチャンスを狙っていた。



「おばちゃん、いい匂いだな〜」
「まぁっ、お世辞?」
「ほんとさ、母ちゃんの匂いかなぁ」

結城の息子、三郎は尋常小学校一年生。
母親は、結城がムショにいる間に亡くなっていた。
高崎観音勧進博打への道中、
結城の家を訪ねたお竜さんは三郎と出会う。

いじめっ子相手に喧嘩してきた三郎の顔を、
井戸端で拭いてやるお竜さん、

おばちゃんビーム炸裂!
アノえくぼで「メッ!」ってされたら、どんな男も骨抜きだ!
藤純子25歳!

緑がかったグレーの着物 x ベージュの博多帯は
地味過ぎるくらいなのに、
かえって女らしさが引き立ってるし〜

「おばちゃん、父ちゃんに言っちゃダメだよ」
「怒ると?喧嘩したら」
「うん、でも、やったら勝って来いって言うんだ、
負けたらウチに入れてくれないんだ、
でも今日は勝ったからね、少しいいんだ、
でも、やっぱり怒られらァ」

ワケわからん三郎であった。

そこへ、
製錬所へお百姓衆のための交渉に出向いていた結城鶴田浩二親分が
畑中中尉にメッタ打ちにされ大けがで運ばれてくる。
相手には軍部という後ろ盾があるため、手も足も出ない結城組。
チクショー!アホみたいな横暴さだぞ、畑中!



「つまり、金で済まそうと・・・」

結城宅へ見舞いに訪れる大村所長と極悪人富岡。
お百姓さんに保証金を出そうと交渉する。
金で解決できる問題ではない、と抵抗する結城親分だが、
公害で稲ができず貧困にあえぐお百姓さんにとって
「金は死活問題だ」との村長の言葉に
「その話は信じていいんですね」と念を押し受け入れるのだった。



「三郎、おばちゃんは大事な御用があるんだ」

高崎の勧進博打を明日にひかえ、旅立とうとするお竜さん。
今度は三郎が引き止める。
おみやげに、かねてから三郎が欲しがっていた
色鉛筆を買ってきてあげるね、と約束し、
お竜さんは大子を後にする。



「おめぇなぁ、あんな話、本気にしてたのか?」

富岡に呼び出された結城。
保証金の話は大ウソで、
お百姓さんを一時なだめる口実だったと知り愕然とする。

実は、保証金はすでに製錬所を経営する本社から出ていたのだが
富岡たちが使い込んでいたのだ!

結城がいてはニッチもサッチもゆかなくなる。
結城を消し、思い通りになる弟分貞次(サダジ 名和宏)を
結城組三代目に据えることを計画する富岡。
手を下すのは久保組悪人ブラザーズのイノスケに決定!



「父ちゃん、遠いところへ行かなくちゃならなくなったんだ・・・
三郎、父ちゃんなぁ、お前に教えるようなことはナンにも知らないが、
男というのはな、負けるとわかっていてもやらなきゃならない時がある、
それを忘れるなよ」

ドスをあらため胸元に忍ばせる結城、
命を張った勝負しか残されていないことを悟り、
心で三郎に別れを告げる。

そこへ村の娘が身売りして女衒に連れて行かれた!と、
結城の妹文子が駆け込む。
身売りした娘とは、文子と恋仲な結城組の若い衆、
常五郎(フジマツな人 待田京介)の妹だった。

結城は一人、娘を取り戻しに出掛けてゆく。

高崎で勧進博打の胴をつとめるお竜さん・・・
胸騒ぎが・・・(たぶん)

果たしてその頃・・・



「イノスケ!誰に頼まれた!・・・・

・・・・・オ、オジ貴・・・汚ねぇ!」


娘を女衒から取り返した帰り道、
寄ってたかっての闇討ちで結城は殺されてしまう。



結城の棺を前に、
シラを切りつつ「跡目は貞次に」と宣言する極悪人富岡。
結城の妹文子には「貞次の嫁になれ」と強引に押し付ける極悪ぶり!
お前も極悪の一味かよ!な貞次、ちょっと腰が引けてるけどね。



大前田嵐寛寿郎親分から急を聞いたお竜さん、
白い着物姿のまま馬上の人となり猛スピードで駆けつける。
馬にも乗れるんだ〜!すごいぞお嬢様!



「あっ、おばちゃん!色鉛筆は?」

父ちゃん死んじまったのに・・・な、色鉛筆フェチ
三郎が玄関先で出迎える。



「くやしかったとでしょうねぇ・・・」

結城を殺ったのは誰なんだ?
証拠が・・・無い。

「どこの一家が親分殺されて泣き寝入りするんだ!」

「待ちなっせ!
これからみんなが一番しなきゃならんことは、
結城さんの遺志ば継ぐこつじゃなかですか?
それは、そこにいらっしゃるお百姓衆のこつじゃなかですか?」

一同号泣・・・

渡世の義理を越えた結城への「想い」をあらわすかのように
あたりは暗くなり、
お竜さんの姿だけが浮かび上がる・・・

「結城さんの悔しか気持ちは
だぁれにも負けんほどアタシにもありますばい!」

ドラマチックな驚きのライティングだ!



お百姓さんのために、
田畑を汚し続ける製錬所の煙と汚水を何とかしなくては・・・
なんとかしたくても相手が軍では手が出ない。
それならトップに直談判だ!

どこへでも単身乗り込むお竜さん、
陸軍大臣閣下(石山健二郎)を訪ねて
陸軍省へ赴くも、やっぱり門前払い。
そりゃそーだ。

でもあきらめないぞ!



「コラ入道!
兵隊は何食っとんじゃ? コメじゃろ?
その稲枯らして、なんちゅうことしとるんじゃ、アホンダラ!」

大臣が料亭にいると突き止めたお竜さん、そこへ上がり込む!
止めようとする部下は庭先へ投げ飛ばす!

ガラッ

と開けた障子の向こうにいたのは、な、な、ナント
お竜さんの兄貴、ご存知四国道後の熊虎親分(若山富三郎)!

熊虎親分は軍の仕事を引き受けており、
タコ入道な大臣とはポン友だったのね〜

浅葱色の着物に黒の博多帯
お竜さんの女っぷりと九州女の度胸に
薩摩隼人な大臣はすっかり惚れ込み、
その場で電話をかけるのだった。



「調査団を派遣する」という本社からの連絡にアセる大村所長
富岡と畑中のところへアワくってヒエくって知らせに行く。
ところが富岡は平然と所長を絞め殺し、
それを自殺に見せかけることで使い込みの罪を
所長一人に押し付けようと画策する、

さすがの乱暴者 畑中中尉もこれにはドン引き、
貞次にいたっては顔面蒼白、
富岡、ぶっちぎりの極悪ぶり!



「親分さん、お役に立てましたか、俺みてぇな男でも・・・」

悪事の一部始終を盗み聞きしていたアブない人コブ安、
斬られながらも、
瀕死でお竜さんに極悪人の企みをブチまける! → 絶命

すべてを確信し復讐を心に決めたお竜さんは、
夜半秘かに結城家を訪れ、ポストにそっと色鉛筆を入れるのだった・・・



「富岡さん、アンタが焼香ばして、
結城さんがお喜びになんなはるとお思いなはっとですか?」

結城の葬儀の席。
嘘っぱちなスピーチをする畑中中尉、
恥知らずな焼香をしようとする富岡、

そこへ登場するお竜さんは黒い喪服姿だぞ!ヒェ〜、かっこええ〜!
居並ぶ参列者の前で、悪事を暴く!
それでもシラを切ろうとする富岡

だが、ついに貞次が本当の事を吐き出す。
貞次を刺し殺す極悪人富岡!



「富岡サン、お命戴きますばい!」

トォォォォリャー!バサッ!ガシッ!グサッ!ドカッ!ガッシャーン!

結城組の若い衆も加わって、お寺は大騒ぎ!
騒ぎの中、ピストルで自殺する畑中中尉。

お竜さん、また投げカンザシで髪がザンバラになってるし〜

眼がイイっす、斬った後の眼が、
今までとは全然違うぞ、お竜さん!
バッサリ斬られた喪服の下に、チラリと見える緋牡丹の入れ墨!
キレイすぎ!

逃げる富岡を用水路に追いつめ、恨みのドスで倒す。

公害で汚れた茶色い水が赤く染まる・・・
稲妻に白く照らされるお竜さんのアップ・・・
ウルトラ美形な横顔・・・



そこに三郎の姿が!

「おばちゃん描いたんだ、おばちゃんの色鉛筆で」
「ちがう・・・おばちゃんな、ちがうばい!」

三郎の手にはお竜さんを描いた絵が、
そこには「おかあさん」の文字があった。

血に染まった手で緋牡丹の入れ墨を隠すお竜さん・・・
その胸に飛び込む三郎であった。



女として、どうなのよ・・・な葛藤も見事フッ切り、
男への想いもジッと押し隠し、
義理と人情というよりも、ただ復讐の修羅と化す・・・

いやぁ〜、お竜さん、もう立派なオトコマエ、
自分自身が「お助け人」に成長しました。

喪服姿の立ち回りの美しさといい、これ以上何も言うことはありません。


ぜひご覧ください。

(ムショ関係の結末は不明)
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by kuronekoyuya | 2007-07-01 02:09 | 緋牡丹博徒 | Comments(0)


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