「炭坑娘が腰ミノ着けてフラダンス踊ってるんだってさ」
小学生の家元は、毎年夏になると
郡山のおじさん、おばさんの家に遊びに行った
おじさん、おばさんは毎年、いとこと一緒に
家元と弟をいろいろな場所へ連れて行ってくれた
その夏は、オープンしたばかりの
常磐ハワイアンセンターへ行くことになった
フラガール(スマイルBEST) [DVD]
よいこのみんな、お元気でお過ごしかい?
北の街で暮らすよいこ、生活の不便さは少しは解消したのかな
避難所や、不便な場所で毎日をしのいでいるよいこ
大切な人を失ったよいこ・・・みんなのことを想うと
胸がいっぱいになってしまうと同時に
何もできない自分自身へ、
そしてこんなことになってしまったことにたいして
やり場の無い静かな怒りさえ湧いてくる
今は悲しみと不安と辛さでいっぱいだよね
でも、世界中のおともだちが
みんなを応援していることを忘れないでね
家元には何の力もないけれど、一日も早い被災地の復興と
それを支える日本の経済的復活を目指して
小さなことからでも始めるよ
地震と原発事故の大きな被害を受けた場所の1つに
福島県いわき市のスパリゾートハワイアンズがある
震災時、たまたま滞在中だった
雑誌 SPA! の記者の方が書かれた記事を読んで
被害の深刻さを知ると同時に、スタッフのお客様に対する
プロフェッショナルな対応に感銘を受けた
SPA!記者が見た「スパリゾートハワイアンズ」震災当日の奇跡
そしてふと、小さな頃に訪れた
常磐ハワイアンセンターを思い出した
1960年代、よいこにとってハワイは
まだまだ遠い場所だったけど
ハワイアン音楽は人気があったから、小さな家元も
フラダンスがどんなものかぐらいは知っていた
でも動くフラダンスを見たことはなかった
レコードのジャケット写真で
フラダンスの格好をした女の人を見たことがあるだけだったからね
常磐ハワイアンセンターでは、
なんと動くフラダンスが見られるというではないか
おまけにそこは常夏の国で、冬でもプールに入れるし
雨でも屋根があるから大丈夫らしい、ワクワク!
で、大人の人たちが「炭坑娘が腰ミノつけて・・・」
と言っているのを聞いて、
顔がススで「デン助」になったフラダンサーを
想像してしまったものだ
デンスケ、ね、わかる?
ちいさなよいこにはわからないかな?
デン助
炭坑娘と言っても、それは炭坑で働く方々のご家族のお嬢さん
という意味で、彼女たちが石炭を掘っていたわけでは
もちろんない
彼女たちの顔が、ススで「デン助」になるわけもない
でも、まだ小さかった家元には
そんなことはわからなかったんだよ
だから
フラダンス・ショーが始まって
キラキラ輝くダンサーの方々を目にしたときは
もぉ〜、びっくり仰天、ワクワクドキドキ☆☆☆
あまりのステキさに
帰りにフラダンサー人形をおねだりして
買ってもらって大喜びしました
新しいホテルはとってもきれいで
プールの他に温泉まで楽しめて、よかったな〜
それから長〜い年月が流れ、映画「フラガール」を見た
そして初めて、炭坑の街に生きた人たちが
常磐ハワイアンセンターに賭けた情熱とご苦労を知った
うちのとうちゃん、お国のためだって、
寝る間も惜しんで石炭掘って、ヤマの中で死んだ
今まで、仕事っていうのは、暗〜い穴の中で、
歯ぁくいしばって、死ぬか生きるかでやるもんだと思ってた
んだけど、あんなふうに踊って、人様によろこんでもらえる仕事、
あってもエエんでねぇか?
腰ミノ着けて、人前で腰フリフリするなんて許せん!って
娘がフラダンサーになることに猛反対していた母、
家元あこがれのお竜さん、もといっ、富司純子さんが
フラダンサーとして成長してゆく娘の姿を見て、
そして、ヤマで生きる人たちの生活の起死回生を賭けた
常磐ハワイアンセンターと、新しい時代の可能性を感じて、
「笑って楽しく仕事したっていいじゃないか!」と、
そう言うのだ
そう、ほんの50年前
たくさんの日本人にとって「仕事」とは
「生きる糧を得ること」とは
当たり前に辛くて苦しいものだった
自分がやりたい仕事やライフスタイルを
選ぶ自由すら困難だった
そもそもライフスタイルなんて言葉もなかった
そんな時代は過ぎ去り、
今に生きるよいこには、少なくとも、自分がなりたい自分を選び
そのための努力をする自由が、当たり前にある
「フラガール」を観て家元が思うことは、
炭坑で働く数えきれない人たちの汗と、苦労と
そして生命によって支えられた日本のエネルギー源が
石油に取って代わられ、
そしてクリーンで安全だと言われた原子力発電となるも
その原子力発電所が今日、かつての炭坑の街で生きる人たちの
生活と生命を脅かしているという悲しい現実だ
しかし同時に
閉山の危機に直面し、生活を守るために必死で町おこしに挑み
45年の長きにわたって努力を怠らず継続してきた
常磐ハワイアンセンター、スパリゾートハワイアンズのガッツと成功、
そしてこの度の震災において見せてくれた
素晴らしいプロフェッショナリズムは、
困難な時代に直面した日本中のよいこたちに
大きな勇気をもたらしてくれると思う
そんなスパリゾートハワイアンズは、この3月末
700人の契約社員の雇用契約を更新することができなかった
90キロ離れても「客はゼロ」=記念館、鍾乳洞、沈む観光地―福島
休業を余儀なくされているスパリゾートハワイアンズはそれでも、
大浴場を被災者の方々に開放し、毛布などの物資の支援や
各地での炊き出し活動を活発に行っている
再開の日が訪れた暁には、きっと契約社員の人たちも
戻って来られることだろうと信じたい
よいこのみんな
じっと不安におののいていてはいけないよ
これからみんなでできることは、
そんな被災地が再始動を始めた時に復興を助けることだ
その時にそなえて、がんばって働いて
お金をためて遊びに行こう!
これからがほんとうの勝負の時だ
日本の底力を見せてやろう!
家元もがんばって、きっとまたフラダンスを観に行くよ
がんばれ!フラガールズ
がんばれ!うつくしまふくしま!
ニュース特報だよ!
フラガール、復興の旗振る 45年ぶり全国巡業復活へ
スパリゾートハワイアンズ公式サイト
スパリゾートハワイアンズのブログ
スパリゾートハワイアンズ @ Wikipedia
映画フラガール @ Wikipedia