セルジオ・ブスタマンテって、
よいこは知ってるかな?
メキシコのアーティストなんだけど
この人の作るセラミックのオブジェがとても好きで、
ずいぶん集めたものだ・・・
なぁ〜んてね、そんなん集められるワケないっすよ
ものすごく高いし、デカイし、
豪邸に住むような身分じゃなきゃあチト無理
家元はかつて、シカゴのモールにあったギャラリーで
セルジオ・ブスタマンテのセラミック作品を見てぶっとんだ
メキシカン・カルチャー大炸裂な不思議な世界
人の顔の太陽(人面太陽)、人の顔の花(人面花)、
人の顔の月(人面月)、キョーレツなシェイプと色の人魚・・・
それらは妙ちきりんで摩訶不思議なくせに
やけにリアルにせまってくるわけさ
最近はアクセサリーやバッグなども手がけ、
作風がちょっとマイルドになったようにお見受けしますぅ〜
異様さバリバリ全開なブスタマンテさまのほうが
おでは好きだな〜
そんなブスタマンテさまの作品や、
これまた摩訶不思議なラテンアメリカ文学にハマっていた家元が
メキシコ出張と聞いて浮き足立った!
かれこれ10年ほど前のお話
当時家元は、とあるタンゴ・ショーの
来日公演のお仕事にたずさわっており
その下見と打ち合わせのために
メキシコシティーへ行くことになったのです
いやぁ、これはいいぞ!ってなもんで、
メキシコ育ちのお友達に、オッサレーな原宿みたいな場所のことや、
ティオティオなんとかっていう遺跡のことなど聞いて、
マリアッチのいるレストランで
お食事しながら「ク・ク・ルクク〜♪」なんて、
やってもらえるのかな〜と、もうワックワク
↑マリアッチ、こんなの希望
そしたら着いた翌朝からおなかこわしちゃって、
頭痛もひどくて、完全な高山病
メキシコシティーは標高2300メートルって知ってはいたけど、
山歩きが好きだった若き日にはそのくらいのところへ平気で行ってたし
まさか自分がメキシコシティーで高山病になるなんて思ってもみなかった
おなかこわしちゃったのはホテルの水道で歯を磨いたからかも
「この水は飲めます」ってご丁寧に書いてあったが
慎重なよいこはモチロンうのみになんかしないよね!
でも、歯ぐらい磨いても・・・
冷たいものは飲まないようにしてたんだけど
(氷もアウト!だからね)
後で聞いたら、沸騰したお湯でも標高の関係で
100度にならないとか、
だから殺菌効果はあんまり期待できないとか、
ほ、ほんと?そんなのアリか?
とにかくベッドから起き上がって仕事に出掛けるので精一杯苦しい
その上タンゴ・ツァーの御一行はみなさま本場アルゼンチンのお方
「アルゼンチンがサイコー、メキシコは危ないし
おもしろいとこなんて無い!」と
おでをホテルから一歩も出してくれないんです
「
一人で出歩いたら死ぬ 」
とか、ものすごくおどかすし
結局5日間毎日、劇場とホテルの往復、
それ以外の時間は寝込み、
食事は毎食、ホテルのコーヒーショップですよ
まずい上にいいかげん飽きる
せめてスペイン語ができれば・・・もっと冒険したかもしれないけど
身体はしんどいし、仕事だったんであまり無茶もできないし
毎日毎日アルゼンチンのお方10人くらいに囲まれて
「あぁ・・・ここがブエノスアイレスなら・・・」
あーだ、こーだって聞かされて
そりゃおでもブエノスアイレス行ってみたいですよ、
はっきり言って「憧れ」ですよ
でもここはメキシコシティーだっつーの!
ホテルが面してる大通りにコロンブスの銅像があるんだよ、
って聞いてて、それも楽しみにしてたのに、
改修中で白い布でぐるぐる巻きにされ、
まるでおでの不運をあざ笑うかのように白い布がピラピラと・・・
運がよけりゃ、こんなのが見れたのね
命からがら、
次の目的地だったアリゾナ州フェニックスの空港に着いた時は
ホッとしてマジ涙ぐみました
そのとたん、お腹も頭痛もスッキリ治りましたとさ
この話には後日談が・・・
出発前にいろいろ教えてくれたメキシコ育ちのお友達のご両親は
今もメキシコシティーにお住まいで、
彼女が連絡してくれてたんですね、
母上様がホテルにお電話くださっていたそうなんです
それもおでがチェックアウトしたすぐ後に
あぁ〜!ツイてないってこのことですよ
もう一日早ければ、
タンゴ御一行様がいくらおどかしたってもう大丈夫、
ご両親と一緒にマリアッチな店でお食事できたのに・・・
↑こんなの
それから、おでが高山病と腹下しになった話をしたら
「それは
モンテズマの復讐 というんだよ」
と教えてくれました
モンテズマとはアステカ王朝最後の皇帝の名で、
スペイン人に征服されたとき呪いをかけたとか・・・
以来、ヨーロッパ人の腹をメインに攻撃するという復讐を!
ぶるぶる、でもおでは欧米じゃないのに、
モンテズマさま何故あんなひどいことを?!
モンテズマ2世 強力美化(たぶん)
こんなイケメンなら復讐されてもいっか!
かえすがえす残念な旅だったけど、
お仕事の方はちゃんと目的が果たせ
タンゴの来日公演も無事成功!
その後何年間も毎年来日ツァーを行うようになりました
バンドネオン4台をふくむ贅沢な演奏と、
一流のダンサーのパフォーマンスは
何回観ても飽きない、それは素晴らしい舞台でした
あれから10年近くの月日が経ち、
先日何気なくネットで検索していたら
当時ツァーの花形ダンサーだった方々の動画が
YouTube にいくつもアップされていた
これは早速リンクしてよいこのおともだちにも見てもらわなくっちゃ!
お名前をクリックすると
すてきなダンスが YouTube でたのしめるよ〜
日本に住んだこともある
ミリアム・ラリッチさんは
今もご自分のショーでご活躍
彼女は体操をやっていたこともあって、
ものすごくアクロバチックなダンスもできるし、
普通に何気なく踊ってもうっとりしてしまう美しさだよ!
劇場の床のコンディションが悪くて心配してたおでに
「平気だよ!ブエノスアイレスでは石畳でだって踊るんだもん!」
と気を使って言ってくれるような優しいお方でありました
当時ダンスキャプテンだった
ホルヘ・トーレスくんは
メチャクチャかっこよくってダンスもバツグン
特に「リベルタンゴ」また見たいなぁ、で、
おまけも見てね
タンゴの男子は、ヘアースタイルがキモだよね
ポマードでガッチリ、テカテカなオールバックにすると
誰しも男前に見えるから不思議
ボサボサ頭だとフツーの男子なのに・・・
R45のよいこらしく、
これを「ドン・コルレオーネ効果」と呼ぼう!
なんてアレコレ想い出にひたっていたら・・・
「カルロス・ガビート氏 2005年7月1日没」
ガビートさんの魅惑のダンスはもう見られないんだ・・・
なんという悲しさだろう
ガビートさん安らかに・・・合掌
アルゼンチン人でなけりゃタンゴは踊れない!
と言い切っていたガビートさん
彼のいないブエノスアイレス・・・
だけど今宵も、
こんな
タンゴのショーが繰り広げられているんだろうな
今はタンゴに興味の無いよいこにも
いつか是非生のダンスと演奏を体験してほしいと
切におもう家元なのでありました